択一基準点発表(令和4年度司法書士試験)

先日、令和4年度司法書士試験の択一式の基準点が発表されました。
※参照:令和4年度司法書士試験筆記試験(多肢択一式問題)の基準点等について
午前択一は81点(27問)・午後択一は75点(25問)でした。
(司法書士試験の択一式は、午前・午後のいずれも、1問あたり3点の配点となります。)

近年の司法書士試験の基準点・合格点

司法書士試験には、午前の部・午後の部があります。
そして、午前・午後それぞれにおいて、択一式の問題が35問ずつ出題されます。
また、午後では、択一式に加えて、記述式の出題もあります。
司法書士試験には、合格基準の一つとして、基準点というものがあります。
基準点は、択一式(午前・午後)及び記述式にそれぞれ設けられます。
まずは、択一式(午前・午後)及び記述式の基準点ををクリアすることが必要です。
次に、上乗せ点(年度ごとに変動)を加えた総合点をクリアすることが必要です。
最終的に、基準点・上乗せ点を合わせた総合点(合格点)を取ることが必要です。
今回は、基準点・合格点のうち、択一の基準点(午前・午後)について触れます。

択一の基準点について

司法書士試験の基準点は、毎年変動します。
ところで、択一式の基準点には、記述式試験の採点対象人数を絞る位置付けがあります。
毎年一定人数の記述式答案を採点する関係上、その人数になるように択一の基準点が設定されます。
つまり、年度ごとの難易度(受験者の出来具合)に応じて、択一式の基準点が変動することになります。
ご参考までに、近年の司法書士試験の択一式の基準点をまとめておきます。

近年の司法書士試験の基準点(択一式)

  • 平成23年度司法書士試験:午前26問・午後24問
  • 平成24年度司法書士試験:午前28問・午後26問
  • 平成25年度司法書士試験:午前28問・午後27問
  • 平成26年度司法書士試験:午前26問・午後24問
  • 平成27年度司法書士試験:午前30問・午後24問
  • 平成28年度司法書士試験:午前25問・午後24問
  • 平成29年度司法書士試験:午前25問・午後24問
  • 平成30年度司法書士試験:午前26問・午後24問
  • 平成31年度司法書士試験:午前25問・午後22問
  • 令和2年度司法書士試験:午前25問・午後24問
  • 令和3年度司法書士試験:午前27問・午後22問

近年の基準点の傾向

平成26年度以降は、午後の択一式基準点が低めになる傾向が続いています。
理由としては、記述式(午後)の難易度が上がっていることが一つの原因だと思います。
例えば、近年、不動産登記法の記述式では、用益権信託の論点が出題されています。
また、商業登記法の記述式では、組織変更合同会社の論点が出題されています。
一昔前に比べると、記述式試験の出題範囲が広くなってきている印象があります。
そのため、午後の択一にあまり時間を割けなくなってきていると思われます。
他にも、受験人数の減少などが理由としてあげられることがあります。
また、司法試験からの転向組を救済のために、午前の基準点を高めにし、午後の基準点を下げているという説もあります。
(午後に比べて午前の方が司法試験科目と重複する科目が多いことが理由として挙げられます。)

司法書士試験の合格のための戦略

近年、午前択一の基準点が高め午後択一の基準点が低めになっています。
午後の試験では、択一に加えて記述もあるため、択一に割けられる時間も限られてきます。
一方で、午前は択一だけなので、解答時間にも比較的余裕があります。
そのため、午前択一で高得点を狙い、午後択一は基準点突破に必要最低限の点数を狙うのが得策と考えます。
上乗せ点を考慮すると、できれば午前30問午後26点程度は得点したいところです。
各科目の勉強法については、また別の機会に触れたいと思います。

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