司法書士試験の合格発表までの間に取るべき資格

司法書士試験の合格発表までの期間について

今回は、司法書士試験の合格発表までの過ごし方についてお悩みの方向けの記事になります。
司法書士試験の合格発表までの期間に学習するのにおすすめの資格について書きます。
※勉強以外の過ごし方については、司法書士試験の合格発表までの過ごし方の記事をご覧ください。

合格発表前の期間にもっともおすすめの資格

この時期に勉強するなら、FP(ファイナンシャルプランナー)をおすすめします。
FPの資格の概要については、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格・試験・活用法の記事をご覧ください。
ここからは、合格発表前の時期にFPの勉強をおすすめする理由について解説します。

司法書士試験の学習で得た知識を活かせる

FPの試験(2級・3級)では、主に以下のような分野から出題がされます。

  • ライフプランニングと資金計画
  • リスク管理
  • 金融資産運用
  • タックスプランニング
  • 不動産
  • 相続・事業承継

上記のうち、不動産相続・事業承継の分野については、司法書士試験で学習する民法・不動産登記法の知識が役に立ちます。
司法書士試験の学習経験を活かして、これらの分野を得点源とすることが可能です。
また、その分勉強時間も少なく済み他の範囲の勉強に注力できることになります。

資格取得に必要な勉強時間を確保しやすい

FPの試験では、一般的に以下のような勉強時間が必要とされています。

  • FP3級:80~150時間
  • FP2級:150~300時間

司法書士試験の学習で得た知識と重複する部分があるため、上記の勉強時間より少なく済むケースが多いと考えます。
合格発表までの期間(約3ヶ月)を考慮すると、FP2級でも1日あたり2~3時間勉強すれば、十分に合格可能です。
専業受験生でなくても、通勤時間等のスキマ時間や休日の勉強で十分に対応可能なボリュームです。

司法書士の実務に役立つ知識が豊富

司法書士試験合格後の実務においては、司法書士試験の試験範囲のほかにも多方面の知識が求められます。
前述した不動産相続・事業承継の分野はもちろん、税金に関する知識が求められる場面が多いです。
(税理士法では、税理士でない方が個別具体的な税務相談にはのることは禁止されています。)
タックスプランニングの分野の学習を通じて、税金に関する一般的な素養が身につきます。

社会人としての素養が身につく

FPの試験勉強で得られる知識は、社会人として生きていくうえで役に立つものばかりです。
例えば、家を買う場合、投資をする場合、家計を見直す場合等、様々な場面で役に立ちます。

資格を選ぶ際のポイント

合格発表までの期間にどの資格の取得をめざすのか選ぶポイントとしては以下のような点があげられます。

  • 司法書士試験で勉強した知識を活かせる
  • 合格発表までの期間を有効活用できる
  • 司法書士合格後の実務に役立つ

司法書士試験で勉強した知識を活かせる

司法書士試験で学習する民法等の知識は、他の資格試験でも試験範囲となっていることが多いです。
民法という科目自体、学習範囲が広く苦手にする初学者も少なくありません。
司法書士試験の民法の知識は、司法試験に引けを取らないほど高度なものです。
そのため、民法の試験科目が存在する資格試験では大きなアドバンテージとなります。

合格発表までの期間を有効活用できる

司法書士試験から合格発表までは約3ヶ月の期間があります。
この合格発表までの期間を有効活用するには、3ヶ月の間に一通りの学習が終えられる資格がベストです。
前述のとおり、司法書士試験と重複する科目についてはアドバンテージとなります。
その分勉強時間が短縮され、効率的に資格取得をめざすことが可能となります。

司法書士合格後の実務に役立つ

せっかく勉強するなら、役に立つ資格が望ましいですよね。
候補となる資格がいくつかあり、迷ってしまうこともあります。
どれか一つの資格に絞って勉強したい。
そのような方は、司法書士実務について一番役に立ちそうと考える資格を選びましょう。
合格後の実務を具体的に想像できることでモチベーションアップにもつながります。
一方で、専業受験生のように、ある程度時間を確保できるのであれば、複数の資格にトライするのもアリでしょう。

他におすすめの資格について(FP以外)

最後に、司法書士試験の合格発表前に取り組むべきおすすめの資格(FP以外)を紹介します。
(すでにFPの資格をお持ちの方やFPの資格と並行して学習を進めたい方のご参考になれば幸いです。)

  • 宅地建物取引士(宅建)
  • 行政書士
  • 簿記(3級・2級)

宅地建物取引士(宅建)について

司法書士の実務においては、不動産に触れる機会がとても多いです。
司法書士試験においても、民法・不動産登記法のように不動産が絡む科目があります。
これらとは別の角度の不動産に関する知識を持っておくことが役に立ちます。
また、司法書士は、不動産業者の方々とお仕事をする機会も多いです。
宅建の試験勉強で得た知識が共通言語となり、不動産業者の方々とのコミュニケーションも円滑になります。
一方で、司法書士業とは別で不動産業(宅建業)を行う司法書士も一定数存在します。
宅建の資格でも独立開業ができれば、業務の幅を大きく広げることが可能となります。。

行政書士について

司法書士と同様、行政書士も独立開業が可能で人気な国家資格です。
試験範囲も、憲法・民法・商法・会社法の科目が重複します。
司法書士試験の直後で知識がクリアなうちに取得するのが効率的です。
将来、司法書士として独立する予定の方は、ダブルライセンスとして行政書士にトライしてみてはいかがでしょうか。
※詳細については、司法書士と行政書士のダブルライセンス・勉強法の記事をご覧ください。

簿記(3級・2級)について

司法書士実務を行う中で簿記の知識が役に立つことも少なくありません。
例えば、商業登記業務として計算分野(増資・減資等)・組織再編の登記手続きを行う際には、貸借対照表等の計算書類に触れる機会があります。
簿記の分野で登場する用語(準備金・剰余金等)には独特なものが多いです。
これらになじんでおくだけでも、商業登記業務を取り扱ううえで大いに役立ちます。
また、司法書士として独立開業すれば、自身の確定申告の場面でも簿記の知識は不可欠となります。
司法書士実務・独立開業を見据えて、最低でも簿記3級の知識をもっておくことをおすすめします。