司法書士試験が終わり、合格発表まで約3ヶ月の期間があります。
合格の手ごたえがある人も、そうでない人も、この期間をどう過ごすかが重要です。
司法書士試験の直前期の3ヶ月とは比べ物にならないくらい長く感じました。
今回は、自分の経験をもとに、司法書士試験の合格発表までの過ごし方について書きます。
司法書士試験の合格発表までに行うべきこと
司法書士試験の合格発表までに何を行うべきか悩む方も多いと思います。
まずは、合格発表までの過ごし方・考え方を一通り挙げておきます。
司法書士試験の勉強を継続する
合格の手ごたえがある方
まず、合格の手ごたえがある方なら合格発表まで勉強を休んでも良いでしょう。
(もしくは、択一基準点の発表時点まで休むのも一つの手です。)
万が一、合格できなくても、合格レベルの方なら、合格発表後に勉強を再開すれば十分間に合います。
(リフレッシュがてら勉強から離れることで、その後の勉強が効率的になります。)
合格の手ごたえがない方
一方で、合格の手ごたえがない方は、翌年の合格を目指す限り、勉強を継続すべきです。
特に、受験期間が短い方は、その分知識が抜けやすいため、勉強を続けましょう。
(結果的に合格できたなら、勉強の継続により知識がクリアなまま実務に入れます。)
しかし、受験期間が長期にわたる方は、モチベーションの維持が難しいです。
そのような方は、合格発表又は択一基準点の発表までの期間だけ、あえて勉強から離れてみるのもアリです。
しばらく勉強から離れて気分転換をすることで、モチベーションが回復してくるはずです。
勉強から離れる際に気を付けるべきこと
ただし、結果的に合格できなかったケースをも想定しておく必要があります。
リフレッシュを兼ねて勉強から離れる際に気をつけるべきことを挙げておきます。
(ちなみに、試験合格の手ごたえの有無は特に関係ありません。)
- 勉強を再開する日をあらかじめ決めておく
- 今後の勉強スケジュール・学習計画を立てておく
- 苦手科目・苦手分野だけでも早めに勉強を再開する
勉強を再開する日をあらかじめ決めておく
勉強再開日についてですが、再開時期を大まかに決めるのはやめましょう。
(例:10月頃から再開する、年明けから再開する等)
時期を明確にしていないと、再開するがズルズルと後ろ倒しになりがちです。
そのため、必ず、具体的な日を決めてからリフレッシュに入りましょう。
(例:合格発表日の翌日から再開する、11月1日から再開する等)
今後の勉強スケジュール・学習計画を立てておく
また、今後の勉強スケジュール・学習計画を立てておきましょう。
(例:年内は主要4科目だけやる、11月・12月はマイナー科目だけやる等)
特に、年内から3月までの期間をどう過ごすかが、次の試験の合否を大きく分けます。
今後の学習計画が明確にすることで精神的にも落ち着いてリフレッシュに入れます。
苦手科目・苦手分野だけでも早めに勉強を再開する
仮に、大きく苦手にしている科目があれば、少し考え方が変わってきます。
試験科目が多い司法書士の勉強において、2年目以降は学習計画にも工夫が必要になってきます。
苦手意識のある科目を抱えたまま他の科目を勉強することは、あまりおすすめしません。
なぜなら、苦手科目の存在がちらつき他の科目の勉強にも影響が出てしまうこと考えられるからです。
苦手科目について試験直後からも週に2日は勉強する時間を確保する等、工夫しましょう。
早い時期から苦手科目を潰しておくことで、年明け以降の勉強がスムーズになります。
短期・単発アルバイトをはじめる
合格後には、研修費用や研修期間中の生活費・交際費が必要になります。
(研修期間中は、同期とランチや飲み会に行ったりするので、結構お金が飛びます。)
惜しくも合格できず勉強を続けることになっても、講座・模試の費用も必要です。
合格・不合格のいずれにしてもお金は必要です。
そのため、短期・単発アルバイト等でまとまったお金を用意しておきましょう。
現在では、短期・単発でのアルバイトも充実しており、スマホからエントリーが可能です。
うまく活用して、個々人の時間やスケジュールに合わせて柔軟に働くことも可能です。
また、仕事で体を動かすことで良い気分転換になり、メンタルバランスも保てます。
行政書士試験の勉強をはじめる
司法書士試験合格の手ごたえがある受験生には、行政書士の勉強もおすすめです。
なぜなら、司法書士と行政書士とでは多くの試験科目が重複するからです。
具体的には、憲法・民法・会社法・商法の試験科目が挙げられます。
特に、会社法・商法を苦手にする行政書士受験生が多い印象です。
司法書士試験の勉強で培った会社法・商法の知識は相当なアドバンテージになります。
行政書士試験では、行政法分野の出題がメインですが、法律の学習に慣れている方なら、3ヶ月の期間があれば十分に間に合うと思います。
合格発表までの期間を活用して、ダブルライセンスにチャレンジするのもアリでしょう。
【おすすめ】簡裁訴訟代理等能力認定考査の勉強をはじめる
特におすすめしたいのが、簡裁訴訟代理等能力認定考査(認定考査)の勉強です。
認定考査は、毎年6月頃に法務省が実施する試験で、特別研修を修了した司法書士有資格者が受験することができます。
(特別研修とは、日本司法書士会連合会(日司連)が実施する研修のことをいいます。)
認定考査に合格すれば、認定司法書士となり、簡裁訴訟代理等関係業務を行うことができます。
(具体的には、訴額140万円以下の簡易裁判所の訴訟代理等を行うことができます。)
認定考査の試験問題は、要件事実論・司法書士倫理の分野から出題されます。
このうち、要件事実論を合格発表までの時期に勉強することをおすすめします。
要件事実論は、法律効果が発生するために必要な具体的事実を言います。
(要件事実は、売買・消費貸借・賃貸借・請負等の民法上の要件に基づきます。)
民事訴訟においては、この要件事実論に基づき主張・立証活動を行うことになります。
要件事実論を学ぶことは、民法・民事訴訟法の理解を深めるのにも役立ちます。
そのため、要件事実論の勉強は、合格レベルの方・ある程度学習が進んだ方にはおすすめです。
自分が合格発表までに行ったこと
合格年度は、勉強開始から2年ちょっとが経った時期で、専業受験生でした。
毎日長時間勉強していたため、合格発表まで勉強を休むことを決めました。
(ちなみに、初年度は、試験が終わった2日後から勉強を再開しました。)
ここからは、自分が合格発表までに行ったことについて解説します。
- 筋トレ・ランニング
- 短期・単発アルバイト
- 簡裁訴訟代理等能力認定考査の勉強
筋トレ・ランニング
まず、自分がはじめたのが、筋トレ・ランニングでした。
毎日試験勉強ばかりで体がなまっていたので、良いリフレッシュになりました。
体を動かしてコンディションを整えれば勉強もはかどります。
ところで、試験直後(7月)は真夏のため外はとても暑い環境です。
筋トレはともかくランニングは屋外ではきついため、スポーツジムを利用しました。
当時に比べて、現在は、安価・リーズナブルに利用できるスポーツジムも増えてきました。
店舗数が多いスポーツジムなら、好きな場所・場面で利用が可能でとても便利です。
(自宅近くのジムを使いつつ、用事がある時は近くのジムを利用することもできます。)
短期・単発アルバイト
他にも、合格発表までの間には、短期・単発アルバイトも行いました。
自分の場合は、実家の自営業や友人の仕事を手伝いながら小遣い稼ぎをしました。
肉体労働で汗を流すことは、普段専業受験生の自分には良い気分転換になりました。
司法書士として働く前に他の仕事・業種を経験しておくのも悪くありません。
合格発表までにやれば良かったと思うこと
合格から数年経った現在、あの時やっておけば良かったと思うことをあげておきます。
- 今しかできないことをやっておく
- PC・プログラミングに関する勉強をする
仮に不合格だった場合には、勉強を続けるので時間が取れなくなります。
また、合格した後は研修や実務に入り、やはりまとまった時間は取れません。
合格発表までの3ヶ月を有効活用したいところです。
今しかできないことをやっておく
当たり前のことですが、何かに取り組める時間はとても貴重です。
自分の場合は、合格発表までの間最低限やるべきことを決めてから過ごしていました。
しかし、今思えば、もう少し普段できないことをもっとやっておけばよかったです。
個人的に温泉が好きなので、温泉旅館で住み込みのバイトすれば良かったと思っています(笑)。
普段行くことが少ない地域に旅行にも行けば良かったと後悔しています。
せっかくのリフレッシュの機会なので、有意義に過ごしましょう。
PC・プログラミングに関する勉強をする
あと、実務に入ってからPCで仕事をする機会がとても多いです。
Word・Excel・PowerPoint等を最低限使いこなせるようにしておきましょう。
また、プログラミングのも勉強しておけばよかったと後悔しております。
現在は、短期間のカリキュラムのプログラミング教室もたくさんあります。
また、初心者にもわかりやすく教えてくれるスクールが多いです。
(ちなみに、自分も体験型の講座を受講しましたが、とても親切・丁寧に教えてくれる印象でした。)
今後のスキルアップ・キャリアアップのために、プログラミングもおすすめです。
プログラミングスキルを身につけHP・WEBサイトが作れれば、開業の際にも役立ちます。
どうせやるなら、働きながらやるよりまとまった時間がある時にはじめる方が上達も早いはずです。
- 司法書士試験の勉強を継続する
- 短期・単発アルバイトをはじめる
- 行政書士試験の勉強をはじめる
- 簡裁訴訟代理等能力認定考査の勉強をはじめる
- 適度な運動(筋トレ・ランニング等)
- 今しかできないこと(趣味・スキルアップ・キャリアアップ)