今回は、FP(ファイナンシャルプランナー)の資格について書きます。
資格の正式名称は、ファイナンシャル・プランニング技能士といいます。
一般的には、FP・ファイナンシャルプランナーと呼ばれることが多いです。
(便宜上、本記事においては、FPと呼びます。)
今回は、FPの資格・試験制度・活用法等について書きます。
FPとはどんな資格なのか
まず、FPがどんな資格なのか解説します。
FPは、資金計画やライフプランに関する助言を行う専門家です。
主に、社会保障・保険・金融・税金・不動産・相続等の知識を用いて、顧客へアドバイスを行います。
また、主な相談分野としては、以下のようなものが挙げられます。
- 家計管理
- 老後の生活設計
- 教育資金
- 年金・社会保険
- 住宅資金
- 資産運用
- 税制
- 保険
- 介護・医療費
- 相続・贈与
※参照:ファイナンシャル・プランナー(FP)とは(日本FP協会HP)
FP(ファイナンシャルプランナー)の試験制度について
毎回、FPの資格試験は、老若男女問わず、多くの方が受験します。
その中でも、スキルアップ・キャリアアップのために、多くの社会人・学生が挑戦する資格です。
ここからは、試験制度の概要をまとめておきます。
FPには1級・2級・3級の種類がある
資格の等級には、1級・2級・3級の種類があります。
各等級の特徴やどの等級を目指すのかについては後述します。
FPの試験実施時期等について
FP試験は、年に3回(1月・5月・9月の日曜日)実施されます。
なお、詳細の日程については、試験実施団体のHP等(以下に掲載)をご確認ください。
また、受検申請の方法・受検票の発送時期・合格発表時期等についても、試験実施団体のHP等をご確認ください。
FPの試験実施団体について
ところで、FP試験の実施団体は2つ存在します。
FP試験は、上記のどちらの団体を通じても受験は可能です。
しかし、実技試験については、出題形式・出題内容が異なります。
そのため、実施団体のHPを確認し、受験者にとって相性の良さそうな方を選びましょう。
ちなみに、自分は、2級・3級とも、きんざいが実施するFP試験を受験しました。
(実技試験は、個人資産相談業務を選択しました。)
FPの試験科目とは
FPの試験範囲(出題分野)としては、以下の6分野となっています。
(1級・2級・3級で共通ですが、出題範囲・難易度が異なります。)
- ライフプランニングと資金計画
- リスク管理
- 金融資産運用
- タックスプランニング
- 不動産
- 相続・事業承継
ちなみに、1級・2級・3級のいずれも、学科試験・実技試験の試験形式で行われます。
(ご参考までに、日本FP協会の試験科目・出題範囲を貼っておきます。)
FP3級
参考:FP3級試験範囲(日本FP協会HP)
https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_03/
FP2級
参考:FP2級試験範囲(日本FP協会HP)
https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_02/
FP1級
参考:FP1級試験範囲(日本FP協会HP)
https://www.jafp.or.jp/exam/subjects_01/
FP(ファイナンシャルプランナー)は何級まで取得すべきか
先述のとおり、FPの資格の等級には、1級から3級まであります。
まず、FPの資格取得にあたり、何級まで取得すべきか悩ましいところでしょう。
結局のところ、何級まで取得すべきかは人それぞれとしか言えません。
この後にも触れますが、FPの資格をどのように活用するのかによって変わってきます。
(私見で恐縮ですが、資格の等級の位置づけをまとめると、以下のとおりです。)
3級の取得に向いている方
まず、FP3級の取得に向いている方としては、社会人としての素養を身につけたい方が挙げられます。
実際に、資格勉強を通じて、社会で生きていく上で必要な基礎知識を得ることができます。
(試験問題は、社会保障・保険・金融・税金・不動産・相続等の分野から出題されます。)
また、個人的には、大学生の方にもFPの資格をおすすめします。
FP3級の試験では様々な分野について広く浅く知識を問われます。
社会人となる準備の一環として、今のうちにFPの資格を取得するのもアリでしょう。
また、FPの勉強の過程で自分が興味のある分野を開拓することができるかもしれません。
例えば、税金の分野を極めたければ、税理士を目指すことが考えられます。
また、不動産や相続の分野を極めたいと思えば、宅建士・司法書士の資格もおすすめです。
自身のキャリア形成の一環として、FP3級の資格はおすすめです。
2級の取得に向いている方
次に、FP2級の取得に向いている方について触れます。
まず、挙げられるのは、FP3級を取得後さらに知識を高めたい方や就職・転職に活かしたい方です。
FPの知識は、特に、不動産業・金融業・保険業等の業種で密接に関連します。
もし、FP2級を取得できれば、顧客へアドバイスを行う場面で役立ちます。
他にも、他の資格を保有する方・他の資格の取得を目指す方にもおすすめです。
既に有している専門知識に加えて、FP2級の勉強で隣接・関連する知識を得れば、既存の業務に活かすこともできます。
結果として、業務の質が向上し、顧客の満足度を高めることにもつながります。
1級の取得に向いている方
FP1級の資格の取得に向いているのは、FPをメインに業務を行いたい方です。
私見で恐縮ですが、FP2級までは働きながらであっても十分に取得が可能です。
しかし、FP1級となると、試験のレベルも格段に上がります。
(その分、FP1級の資格を有していれば、それだけ周囲の評価も変わってきます。)
他に保有資格がなくFP単体で仕事をするのであれば、その分信用される何かが必要になってきます。
他者と差別化が図れる専門知識がないのであれば、FP1級の取得はマストでしょう。
試験勉強は大変ですが、キャリアアップのためにチャレンジしてみるのも良いでしょう。
FPの資格をどのように活用するのか
いざFPを取得したら、その資格をどのように活かしていくのか。
FPを取得すれば、資格勉強で培った知識が業務に活かされるのは間違いありません。
まず、FPの資格の活かし方として考えられる例を挙げてみます。
- 現在の仕事に活用する
- 就職・転職に活用する
- 独立開業する
スキルアップ・キャリアアップ・企業内FPとして資格を活用する
実際のところ、FPの資格を取得した多くの方は、FP単体で業務を行っておりません。
(FPの資格単体で仕事をしている方は少ない印象です。)
多くの方がスキルアップ・キャリアアップの手段としてFPの資格を取得します。
現在の業務に活かしたり、就職・転職の際にFPの資格を有することをアピールできます。
なお、企業内FP(登録してFPを名乗る方)として業務を行う方もいます。
ちなみに、FPを名乗るには資格取得後に別途登録等が必要なため注意しましょう。
FPとして独立開業する
もちろん、FPの資格単体で独立開業する方もいます。
その場合には、AFP・CFPとして仕事をするケースが多いです。
※参照:AFP資格とは?(日本FP協会HP)、CFP資格とは?(日本FP協会HP)
しかし、多くの場合、別の資格と一緒に登録をしてFPとして仕事をするケースが多いです。
(司法書士・行政書士・税理士・社労士・中小企業診断士等の様々な資格と相性が良いです。)
FP以外の資格が持つ専門性と合わせてコンサルティング業務を行うことも可能です。
また、FPの資格の他に自身のキャリアを活かしてコンサルティング業務を行うこともできます。
例えば、金融機関で融資業務に従事していた方であれば、住宅ローンに関するコンサルタントになることも考えられます。
(この場合、住宅ローンアドバイザーのような資格を取得すれば、さらにスキルアップになります。)
終わりに
今回は、FPの資格・試験・活用法について解説しました。
今後のキャリアアップ等のために働きながら資格を目指す方が多いと思います。
FPの勉強は日常に役立つ知識も多く楽しいと感じる方が多いと思います。
また、3級から手軽にはじめられ、徐々にステップアップすることも可能です。
もし、FPの資格に興味を持ったらこの機会にチャレンジしてみましょう。